トラリピでリスクを高くせずに通貨ペアを増やすには、当たり前ですが資金が必要です。例外的に現在運用中の豪ドル/NZドルのように、売りと買いを別々の範囲に仕掛けるハーフ&ハーフという手法があります。しかし、今回はハーフ&ハーフの考え方を応用し、他の通貨ペアと組合わせた運用方法を紹介します。
1.なぜ追加資金が必要ないのか?
現在、加ドル/円、豪ドル/円、メキシコペソ/円、豪ドル/NZドルの4通貨で運用しています。このうち加ドル/円、豪ドル/円、メキシコペソ/円はクロス円通貨であり同じような値動きをします。クロス円通貨とは、○○/円といった日本円と外貨の組合せのことで、リスクオンの時に高騰し、リスクオフの時に下落する傾向があります(必ずしもすべての通貨が同じ値動きをするわけではありません)。参考までに各通貨ペアのチャートを載せます。
◆加ドル/円
◆豪ドル/円
◆メキシコペソ/円
◆豪ドル/NZドル
◆ユーロ/円(今回運用開始)
このように、クロス円通貨は似たような値動きをするので、円高では含み損が増え、円安では含み損が減ります。含み損の比較的少ない円安時であれば、資金を追加することなく売りのポジションを持つことが可能です(買いだと円高時の含み損がさらに増えるのでリスクが高くなります)。なので、ハーフ&ハーフのように売りポジションを持つことを検討しました。
2.ユーロ/円を選択した理由
数ある通貨ペアの中でユーロ/円を選んだのには理由があります。それは売りのスワップがプラスだからです。クロス円通貨でハーフ&ハーフをする場合、売りスワップがマイナスなのがネックになります。唯一売りスワップがプラスなのがユーロ/円です。そこで、加ドル/円、豪ドル/円、メキシコペソ/円の売り(ハーフ&ハーフ)の代わりにユーロ/円の売りを組合わせます。
3.ユーロ/円の設定
現在、加ドル/円、豪ドル/円、メキシコペソ/円の合計投資額は150万円です。これを使ってユーロ/円のトラリピを稼働させます。なるべく他の通貨で買いポジションの少ない高い位置に仕掛けるようにしました。
加ドル/円がレンジ上抜けしたことを受け、豪ドル/NZドルに資金移動したため設定を見直しました。運用資金は100万円です。なかなか決済されないので、利益幅を小さくしました。
・ユーロ/円(売りのみ)
・仕掛けるレンジ:120~150円⇒125~140円
・本数:31本⇒21本
・1ポジションの通貨数:1,000通貨
・利益:1,000円⇒750円
・決済トレール:なし
ロスカットレートは173.192円になります。リーマンショック直前の最高値が170円であるため、安全な設定であると言えます。
3月29日より上記の設定で運用を開始しました。運用状況は毎月の不労所得報告にてお知らせします。お楽しみに!