コツコツ投資生活 -時間を味方に-

資産運用でセミリタイアを目指す

ズロチスワップサヤ取り

2018年11月から20万円で運用しているズロチとユーロのスワップサヤ取り。これはあっきんさんのブログで見つけた手法で安定性、手軽さ抜群であったため始めてみました。ここではサヤ取りのリスク、リターンについて検証してみたいと思います。

 

 

1.ズロチスワップサヤ取りとは? 

そもそもサヤ取りとは同じ通貨で売りと買いのポジションを持ち(両建て)、スワップの差額だけを貯める手法です。トルコリラ南アフリカランドなどの高金利通貨で取引する人が多いと思います。買いのスワップ(収入)>売りのスワップ(支出)となる2つのFX会社を見つけて口座開設、売りと買いのポジションでの資金管理が必要です。少し手間がかかりますね。

しかし、ポーランドズロチの場合は一つの口座でできます。その理由は値動きがほぼ同じズロチ/円の買いとユーロ/円の売りを持つからです。異なる通貨ですが、実質同じ通貨を両建てしているような感じです。偶然にもこのサヤ取りに最適なFXプライムbyGMOの口座を持っていたことも始めた理由の一つです。

ズロチと高金利通貨(トルコリラなど)でメリット、デメリットを比較してみました。

 

ズロチは口座数、資金管理の面でメリットがあります。1つの口座でしかも普段はロスカットを気にする必要がありません。高金利通貨は2つの口座を持ち、円安、円高になって一方がロスカットされないように資金管理が必要です。

ズロチのデメリットはあくまでも同一通貨でないため値動きが完全に一致しているわけではないこと、損切のための逆指値注文ができないことです。高金利通貨の場合、例えば〇円動いたら強制ロスカットされる前に決済する逆指値注文が可能です。一方でズロチはユーロとの価格比が崩れたときがロスカットになりますが、それがいくらなのかは予想できないため損切のしようがありません。ズロチ/円が10円動いても、ユーロ/円も同じ方向に43円動けばいいわけですから。

 

2.過去のレートから

2018年の月ごとの高値と安値を比較してみました。下の表の赤字はユーロ/ズロチが4.3±0.05、青字は4.3±0.15の範囲内であることを示します。ここ1年は4.15~4.45の間を推移しており、ユーロとズロチの値動きがほぼ同じであることがよくわかります。これがユーロ/円の売りを1万通貨に対してズロチ/円の買いを4.3万通貨を保有する理由です。

 

ではユーロ/ズロチが4.3の時にポジションを持ったとして、値動きがずれるとどうなるでしょうか?計算しやすいようにズロチ/円が30円でユーロ/円が4.3倍の129円の時(表中の黄色の部分)を基準にして考えてみます。表の縦はズロチ/円、横はユーロ/ズロチの価格であり、クロスしたところにユーロ/円と為替損益を示しています。

 

ユーロ/ズロチが4.3より小さくなると為替差による含み益が出ます(表の左側)。逆に4.3より大きくなると含み損となります(表の右側)。灰色の部分は含み損が10万円以上となります。表からも分かるように、ユーロ/ズロチが上がるほど含み損が増えるため、4.3より高いときにポジションを持つのが有利です。

 

3.運用方法

ユーロ/円1万通貨の売りに対してズロチ/円4.3万通貨の買い保有します(ユーロ:ズロチ=1:4.3の比にします)。EUはマイナス金利であるため売りでスワップがもらえ、ポーランドは日本よりも金利が高いため買いでスワップがもらえます。ユーロ/円1万通貨、ズロチ/円4.3万通貨の場合、必要証拠金は約10万円、余裕資金として10万円を足した20万円で運用できます。

 

スワップの実績(1月現在)

  • ユーロ/円売り 3円
  • ズロチ/円買い 15円
  • 1日あたり 3円+15円×4.3=67.5円

1ヶ月では約2,000円の収入になります。最初の1ヶ月強はスプレッドがあるため評価損益はマイナスになります。

 

スプレッド

  • ユーロ/円 0.9銭×10,000通貨=90円
  • ズロチ/円 5.9銭×43,000通貨=2,537円
  • 合計 90円+2,537円=2,627円  ≫2,627円÷67.5円/日=38.9日

この期間を乗り切れば基本的にはスワップがどんどん貯まる一方です。毎日の収入は少ないですが、コツコツ貯めていくことで1年で約22,000円になります(スプレッド分を差し引いた金額)。これぞ不労所得ですね。

 

4.実際の運用内容

2018年11月12日にユーロ/円1万通貨の売りとズロチ/円4.3万通貨の買いを保有しました。この時ユーロ/円は128.279円、ズロチ/円は29.909円であったためユーロはズロチの約4.289倍でした。必要証拠金の合計は

(128.279円×10,000通貨+29.909円×43,000通貨)÷25=102,755円

になります。20万円入金しているので余裕証拠金は97,245円になります。上の表に示した通り、可能性は低いですが余裕資金10万円では強制ロスカットになることもあります。しばらくはこのまま様子見で必要に応じて資金を追加します(スワップがどんどん増えていくので追加の必要はないかもしれませんが)。

 

5.【8/16追記】ポジション追加

ユーロ/ズロチが4.35を超えてきたので8月15日に20万円を追加で入金し、新たにユーロ/円の売りを1万通貨とズロチ/円の買いを4.3万通貨を保有しました。保有直後のスマホアプリの画面を載せます。この時のユーロ/ズロチは約4.389だったので、最初に保有したポジション(2018年11月12日)でも評価損益がマイナスになっています。